【8月02日の「すべての『ババをつかまされた世代』に贈ります」日記】
朝 目覚めるとジャジャ降りの土砂雨。 雷音も雑じる非道さ。
今日は大学の漫研の若い後輩に教えられた「京都国際マンガミュージアム」で開催中の『コミックマーケットの源流-1960~70年代マンガ同人誌の世界-展』の特別イベントとして企画された「伝説のマンガ月刊誌『COM』を語る-休刊38年目の座談会」と題された講演会に、天気が良かったら参加しようと思っていた。
http://www.kyotomm.jp/HP/2009/06/doujin.php
この天候はお昼前には持ち直したものの、何故か気分が乗らず断念残念だんねん。
この「京都国際マンガミュージアム」には一回も足を運んだこともないし、「特別展」自体にも非常に興味はある。
また「『COM』を語る座談会」の参加者の豪華さには眼を瞠るが、何が何故いま現在、 私の足を重く引っ張っているのだろう。
ご存知だろうが『COM(コム)』は、1967年から1973年まで漫画会の巨匠『手塚治虫』率いる「虫プロ商事」より発刊された漫画雑誌。 数多くのプロの漫画家を輩出したことでも有名。
私たちの先輩の世代にはライバル誌の『ガロ』とともに影響を与えた。
ただし私個人の感想としては『火の鳥(黎明編・未来編・ヤマト編・宇宙編・鳳凰編・復活編・羽衣編・望郷編・乱世編)』掲載誌としての思い出しかない。
生まれた世代的に、完全に「乗り遅れた」世代なのである。
私にとって『COM』『ガロ(特に代表される「カムイ伝」)』は、『学生運動』とともに「乗り遅れた」感(後ろめたい罪悪感とトラウマ)が非常に重いのであった(後にとある評論家が「次のババを掴まされた世代」と評した時は小膝を叩いた)。
さて、最近特にこの「感情」を喚起されたのは劇場映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を観て以来である。
詳しく言うと、この映画で使用されている作中の楽曲を耳にしてからかもしれない。
観ていない人にはネタバレとなって恐縮だが、この「アニメ映画」の中で以下の楽曲等が使われている。
・『今日の日はさようなら』
・『翼をください』
ともに1960年代末から70年代に発表された「日本フォークソング」の名曲である。
この時代は前述した『COM』『ガロ』『学生運動』の時代と一致する。
原作と脚本、総監督を担当した『庵野秀明』氏は1960年生まれ。 当然「乗り遅れた世代」。 むしろ私より一歳若いだけに、当時の「空気」は微かに覚えているのだけど「実感」としては今ひとつ「憧憬」に近い「思い」があるのではないかと一方的に推察した。
これらの「フォークソング」は、当時の学生達には切っても切れない存在だった(「学生運動」に賛同するしないに関わり無く)。
彼らはいつの日の朝も、これらの曲を口ずさみながら、歯を磨いてデモに出掛けていった(のだろう)。
(余談だが1971年に『赤い鳥』によって学生運動終焉時頃の1971年に発表された『翼をください』は、カップリングA面が被差別部落絡みの楽曲であった為にいわゆる「放送禁止歌」(封印作品)となった『竹田の子守唄』であったことも興味深い)
ちなみに同じく『太陽を盗んだ男』から使用された楽曲『YAMASHITA』は「菅原文太」演ずる副主人公「山下警部」のテーマだ(彼は本作中で犯人の主人公に共鳴しつつも、負け続ける男)。
これらに監督から放たれたメッセージを読み取るのは決して不可能な作業ではないと思われるのだが、それなりに検証等が必要なのでまた次の機会に譲りたいと思う。
ま、早いハナシ。
一方的に勝手に『COM世代』の人間の口から『終結宣言』を聞きたくなかっただけかもしんないけど……。
PR