漢気

【1月06日の「リアル『漢気』の見本みたいな上司」日記】
　早朝凍てつく午前六時半。
　Ｓ部長宅にお迎えに伺う。
　本日より二泊三日の「新年御挨拶ツアー」の始まり始ーまーりー♪
　
　っちゅうても少しご年配のＳ部長とは毎年「新年御挨拶」ではお馴染みのコンビ。
　初日は「明石大橋」を渡って「四国」に至る。
　ドタバタと徳島から香川県へ。
　要所要所で新年の挨拶を済ませ、今度は坂出より「瀬戸大橋」を渡り岡山県に戻る。
　
　今宵の宿は岡山県倉敷の定宿「倉敷アイビースクエアホテル」、
　そのホテルに近づくにつれＳ部長がこう仰った。
　「おぅ、MARUよぅ。オラぁ『歯』がメチャクチャ痛いから『歯医者』に行くゼぇ。馬鹿野郎」
　Ｓ部長は関東の御出身なので、未だに「関東弁」を使われる。　「馬鹿野郎」はいわば「口癖」のようなものだ。
　っちゅうても私は「関東」に暮らしたことが無いから、どんだけ「関東人」が「馬鹿野郎」って言ってるか知らへんけど。
　
　ホテルにチェックイン時、フロントで近所の「歯科医」を紹介して貰う。
　「ぢゃ、行ってくるわ。馬鹿野郎」
　Ｓ部長、一人で行っちゃった。
　ホテル個室に一人置いてかれたボクちゃん。
　あー、今晩は思いっきりＳ部長にタカってタダ酒呑もうと思ってたのになぁ。　予定が狂っちゃったぜ、マッタク(←ｱﾂｶﾏｼｲﾆﾓﾎﾄﾞｶﾞｱﾙ)

　暫らくしたら携帯が鳴った。
　「おぅMARUよぅ。メシ喰いに行くぞ。馬鹿野郎」
　急いでフロントで待ち合わせ。
　「大丈夫でしたんか？」と私。
　「当たり前ぇだ、馬鹿野郎！　歯茎をメスでいきなりザックリ切開されて痛ぇなんてもんぢゃなかったゼ馬鹿野郎！それで『膿』がビューッっと勢いよく全部出ちまったがな馬鹿野郎」
　「そ、そんでモノ喰うたり酒飲んでも大丈夫なんでっか？」
　「おぅ。医者から酒と風呂は止められてるんだがな、知らねぇよってその馬鹿野郎歯医者に言ってやったんだ馬鹿野郎」
　どんだけ「男前」ですねん、Ｓ部長！　一生付いて行きます！
　
　で一軒目に寄った「割烹居酒屋」。
　お任せコースで最初に出てきた「おでん」。
　口を付けたＳ部長が一言。
　「駄目だ！麻酔がまだ効いていて、味がぜんぜん判んねぇや！　おい、MARU。これ全部オメェが喰え馬鹿野郎」
　
　色んな意味で御馳走さんっす。
　その後の「お刺身」も「牡蠣佃煮」も、二人分を一人で食させて頂亜ましたが、美味しゅう御座いました。
　お言葉に甘えてビール二本日本酒四合頂きました♪

　私の為に無理し出て来てくれはったんですね。

　ホンマに御馳走様でした。