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【5月02日の「長くて辛い一日」日記】
 GW五日目。
 今日は実家の母の要請により、伯父のお見舞いのへ同行。
 母方の兄弟(長兄)であり、クラシックギターの講師を生業としておられ、私も幼い頃から可愛がってもらい結婚披露宴でも素晴らしいギターの生演奏を披露していただいた。
 その伯父が老衰のため急遽「入院」することになったのが、GW前の先月下旬のこと。
 昨日、従兄弟から連絡をもらい本日、大阪府大東市の某病院にレンタカーに実母を乗せお見舞いに駆けつけた次第。
 
 病院の白い個室に伯父はベッドに横たわっていた。
 数種の電子機器に継れ、意識は微かにあるものの呻き声程度しか発せられない状態。
 実母が「兄ちゃん、来たよ。」と耳元で声を掛けると、わずかに頷く。が明確な返答は返ってこない。
 酸素マスクが煩わしそうに見えるが、治療上外すわけにはいかないのが歯痒く感じるのは母も同じだろう。
 「(私の亡)父もこれ(酸素マスク)のこと嫌がって、(亡くなる前に)なんども無意識に外してたわ…」
 と母が呟く。
 
 医療用酸素ボンベからの乾いた「酸素」は喉を乾かし、また口腔と舌を乾燥させより患者の発音を困難に至らしめる。
 生きるために絶対必要な「酸素」が、また別の面で人間を苦しめている。 現代医療(機器)の限界かね?
 「兄ちゃん、シンドいねぇ。 エラいねぇ。でも頑張ってね。」
 母親は語りかけ続ける。
 終戦前後の貧しい時代から、様々な苦労を重ねながら四男三女の大家族(当時としてはさほど珍しくない)長兄として家族の面倒を見てこらてたこられた方である(私の母は長女)。
 だが、返答は苦しそうな呻き声のみ。
  
 しばらくして従兄弟が会社を半休にして現れた。
 子供の頃から気安く遊んでいた彼だが、今日はこの場でかける言葉が見つからない。
 「あ、どうも…」
 なんという他人行儀で場にそぐわない挨拶だろうか、と自分自身に呆れ果てる。
 
 その後、叔父の付き添いは従兄弟に任せることにして、病院を後にする。
 母親は心底疲れたようだ。
 「まぁ生きてるうちに、最後に会えたのが良かったわ…兄ちゃんも一刻も早く、楽になれたらいいのにねぇ」
 車の窓ガラス越しの風景に向かって、誰へともなく母がそう語るのが聞こえた。

 

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