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【11月04日の「東宝特撮映画駄洒落シリーズ『当面人間』」日記】
 しばらく当面はおとなしい普通の人間だが、酒が入ると別の怪物生物(クリーチャー)に変身してしまうヒトの悲劇を描く。
 続編に東京~名古屋間を忙しく行き来する『東名人間』がある。


 かなりヤヴァい状況だ。

 普段は滅多に乗らないのだが、その日は大きな納品などがあったのだろう。 中型トラックに乗っていた。
 さて仕事も一段落し、そのトラックの周りを軽く点検していたのだと思う。
 左後輪のフェンダーに、それはクシャクシャになって絡み付いていた。
 どう見ても『車椅子』。
 しかも座席部分のクッションに鮮血がビッショリ。 それが本体パイプ部分を伝ってポトポト地面に垂れて、小さなドス黒い染みを作り出している。

 ああ、やっちまったな。
 カーブを回る際に、内輪差かナニかで『車椅子』の人間を引っ掛けて巻き込んでしまったらしい。
 その「被害者」は見当たらない。 が、この「血液」の量を見ても只ならぬ状況である事は容易に察しが付く。

 まず最初に「逃げる」ことを考えた。
 『車椅子』を処分してトラックを洗車し、何食わ表情を装う。 もしくは姿をくらます。

 まぁ無理だろうな。
 日本の優秀な警察をナメてはいけない。
 ましてや『車椅子』使用中の弱者への『ひき逃げ』である(生死は今はわからないが)。
 熾烈な調査追跡は免れられないだろうし、「本当に気が付かなかった」などという言い訳に耳を貸すものも居ないだろう。 手持ちの現金もたかが知れているし「逃亡」はほぼ不可能だ。 

 困惑しきっているところに、同僚の『トリトン』くんがいつの間にか立って、私を見つめていた。
 途中入社日も同じ「転職組」の彼だが、一回り年下である。 だが仕事も遊びも一所懸命取り組み、私にも「良い」「悪い」をハッキリ言ってくれる社内で一番「信用」の置ける男である。
 無表情で私を見つめる彼に、私は弱弱しい笑顔を向けた。
 「やってもうた……」
 彼は何も言わない。
 膝をガクガク震わせながら、私は自分に言い聞かすように言葉を続けた。
 「まぁ最初は逃げるコトも考えてんけど、やっぱし警察に出頭するわ……」
 はじめて彼がゆっくり口を開いた。
 「それが一番 MARUさんらしいですわ」

  
 その瞬間、目が覚めた。
 まだ陽も昇らない早朝の暗闇の中で、私は滂沱の泪を流していた。
 「ああ、良かった」
 それが「夢」であったコトでも、「事故」を起こしてしまったことでもない。
 身近に真摯に私を受け止めてくれる「男」が存在してくれる安堵だった。
 例えそれが「夢の世界」であっても「現実の世界」であったとしても、彼は必ず「同じ言葉」を私に送ってくれることだろう。
 そのことを認識できたことが何よりも嬉しかったのだ。

 もちろんその日(今日)の仕事の運転には最も注意を喚起し、現実の彼に電話して「こんな阿呆な夢を見てん。キミも運転に注意してな」と伝言したのは言うまでもない。


 岡山市を経て、数百km走りぬいて「石川県加賀市」に無事辿り着く。

 

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